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2007年6月 2日 (土)

No.87 ICCP第四次リポート『早くしないと手遅れ!?』

記:中日新聞/飯尾歩、中日新聞 古知野専売所 (有)吉田新聞舗

最近、季節の様変わりといいますか、要はお天気が変だという話から書き始める場合が多く、今回は、ちょっと違ったパターンをと思っていながら、やっぱり気候のお話です。

新緑のころなのに、真夏日が全国的に頻発し、台風のような風が吹き荒れ、そうかと思えば日没後に急に冷え込んで、ストーブがほしくなったりと……。なんだか、落ち着かないですね。

さて、この欄でも再三取り上げている国連・気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第四次リポートの三つの作業部会報告が出そろいました。

IPCCというのは、気候変動に関する分析を行うため、日本を含む世界百三十カ国以上から、約四千人の科学者が参加する国連の機関です。

第一作業部会は「自然科学的根拠」(2月、パリ)、第二部会は「影響」(4月、ブリュッセル)、今度の第三作業部会は今月初めにタイ・バンコクで開かれたIPCC総会の会場で、「緩和策」、つまり対策についての研究成果を披露しました。

内容は凝縮すれば三項目に尽きると言っても過言ではありません。

一つ目は、このまま何もしなければ、やがて地球全体がえらいことになる。二つ目は、だが、止める手だてはある。しかし、早くしないと手遅れになるだろう。

欧州を中心とした世界の考え方は、地球の平均気温の伸びを今後プラス2度までに抑えねばならないという点で一致していると言えるでしょう。

第二部会による「影響」でも、平均気温の上昇が2~3度になると地球のほぼ全域で悪影響が出るとしています。

第三部会は、これにこたえるかのように、排出量取引や環境税などで適正な支出をかければ、温暖化は止められると言い切ります。

二酸化炭素一トンを減らすのに二十~八十ドルの投資をすれば、排出量を最大で三割抑え、温度上昇を2・2~2・6度にとどめられるというのです。

ただし、期限が切られています。遅くとも2020年には減少に向かわせないと、手遅れになると書いています。

IPCCの本来の役目は、科学的な知見と分析をまとめ、政治家や行政マンに手渡すことであるはずです。ところが、今度の報告書では、コストや期限だけでなく、削減のために有効な技術まで、列挙してみせる大サービス。

というよりは、地球全体の危機を目の前にしながら、京都議定書の削減目標に何かと難癖を付ける超大国や将来の超大国、あるいはどうやって守ろうかと立ちすくむどこかの経済大国、あるいは早々と目標達成をあきらめてしまった国などへのいらだち、あるいは怒りの表明なのかもしれません。

怒りと言えば、うち続く異常気象は宇宙の怒り、地球の悲しみなのかもしれません。

80ドルでその怒りを静め、未来をあがなうことができるとすれば、皆さんは「高い」と思われますか。

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