vol.89 本格中華料理店を始めて27年の人生
語り手:白楽天 経営 尾関 照夫さん(55)
エリ「センター試験終わったけど、英語の出題形式がガラっと変わって、長文が増えたから焦っちゃった。英語の勉強もっとしとけばよかったなぁ。大学受かったら一人暮らしするつもりなんだけど、ヤバイかも?」
婆 「なに~一人暮らしするの?わし聞いとらんがね。コンビニ弁当ばっかになれへんかね?」
エリ「大丈夫。最近お料理番組見て、勉強しとるんだわ。お料理もやりだすと奥が深いね~」
婆 「お料理の勉強、ええこったなも。ところでレパートリー増えたの?いっぺんも作ってもらったことないけど、たまには、食べさせてちょう」
エリ「私、中華に興味があるのよ。」
婆 「ほぉ~かね。ほんなら今日は、中華のお店、白楽天に行って、いろんなお話を聞きに行ってみよみゃ~かね。エリちゃん、はよ、まわししや~」
エリ「なぜ、この中華料理の道に入られたのですか?」
尾関「学校を卒業してから十年、名古屋の中華料理店に修行に行ってたんだけど、新しく若いチーフが入ってきて、そのやり方に納得いかなくて独立しようと決めたんだ。それで、昭和五十五年七月に白楽天をオープンしたんだよ」
エリ「どうして、この江南市にお店出したんですか?」
尾関「いくつか候補地はあったんだけど、友人の勧めもあって、ここがいいかなって」
エリ「オープンして、いかがでしたか?」
尾関「いや~最初の3ヶ月間は暇だったけど、その後はわりと順調だったよ。バブルの頃までは、休む暇もないくらい忙しかったなぁ。」
エリ「楽しい思い出はなんですか?」
尾関「夫婦でがんばって3年でマイホームを建てたことかな。オープン当時からの長~いお付き合いのお客さんができたことが、一番の思い出だね。毎年、貸切で何十人かの家族パーティをやってくださるお客さんもみえる。もぅ二十五年だもんなぁ。ありがたいわ」
婆 「そりゃ~どえりゃ~幸せだなも。生きてて何が大切かって思うと、やっぱり、仲間がいることかのぉ。わしの仲間は、年々減ってくで淋しいでいかんわ。辛かったことは、何かあるきゃ?」
尾関「家内が体調を崩したことだな。あまりにまじめな性格だったもんで、家のことと仕事を頑張りすぎて精神的にバランス崩して療養してまったんだわ。その時は、お店やめようと思ったけど、家内が、どうしても復帰してお店に戻りたいと言ったもんで、続けることにしたんだ。残念なことに3年前に他界してまったよ、今は、ひとりで切り盛りしてるんだけど、あの時、やめなくてよかったよ。今は、お店が支えだから」
婆 「そりゃ~辛かったなも。まじめで働きすぎたんだなも。奥様のためにも、このお店をず~っと守っていってちょうえか」
尾関「それから、ここ十年くらいはないけど、食い逃げがあったよ。2、3回はお金払ってくれたけど、ある時、今日は、お金忘れたから今度持ってくると言ったまま二度と来なかった。信用したんだけど、あれはショックだったなぁ」
婆 「いくら貧乏になったとしても、心まで貧しいのはいかんなも。いいこといっぱいしてると、絶対いいこと返ってくると思うのぉ」
尾関「この商売をしてよかったのは、多くの友達ができたことで、月に3回は一緒にゴルフに行ったりするのが、今一番の楽しみかな。家内の三回忌もまだだから、淋しいもんだね。いい仲間に囲まれて幸せだよ」
エリ「自慢の料理は、何ですか?」
尾関「エビチリ、ホイコーロ、マーボー豆腐。これは自信があるから、ぜひいっぺん食べに来てほしいな。今一番人気は、スタミナラーメンで、これも絶品」
婆 「どえりゃー美味しいんだわ。わしも中華は白楽天と決めとる。いっぺん食べてみてちょう」
エリ「営業時間は、何時ですか?」
尾関「昼十一時半~十四時、十七時~二十二時。最近は、飲酒の取締りが厳しくなったもんで夜のお客さんが減ってまったで、足を運んでもらえるとうれしいなぁ。オープンしてちょうど二十五年、ここまで続けてこられたのも、お客様にかわいがってもらえたおかげで感謝してます。健康な限り、美味しい中華を作っていくのが、わしの夢だな」










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