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語り手:薬師寺副住職 山田法胤さん
――出初めて薬師寺を訪ねた日のことは覚えていますか。
山田 母親とバスと汽車を乗り継いでようやく近鉄西ノ京駅に着いたときのことを覚えています。駅をでると、何もない暗い通りが続く、寂しい所でした。その夜は何ヶ月も干したことのないようなふとんで寝、翌朝は4時半に起こされてお堂に行き、おかゆを食べ、ぞうきんで掃除をしました。その朝、師匠の橋本凝胤さんと正式に会い、新たな生活が始まったのです。そして駅で母親と別れました。
――当時の薬師寺は今とはまったく違ったでしょうね。
語り手:飛高町 渡辺さん(71)
エリ「お婆ちゃん、最近、掃除に燃えてるね?」
婆 「そうなんだわ。八月に日本を美しくする会の鍵山先生(イエローハットの創始者)と一緒に便所掃除の会に参加してから、掃除の姿勢が変わったんだわ。『掃除は心を磨いとる』んやと。そんな気持ちが自然にわいてきて、楽しい気分で掃除ができるようになったんだわ。結構長く続いとるよ」
エリ「へぇ~そんな気持ちになるんだ。掃除なんて、めんどくさいのになぁ。」
婆 「そんなこと言っとっていかんがね。自分の勉強部屋を片付けや~。きっと、いいことあるよ」
エリ「ほんとにぃ~?じゃ、お掃除してこよっと。その前に、今日は、どこに行くの?」
婆 「今日は、働き者のご婦人がみえるでお話を聞いてみよみゃ~。エリちゃん、はよ、まわししや~」